特発性脊髄硬膜外血腫の予後などをサラッと。
特発性脊髄硬膜外血腫(SSEH)は中高年の男性に後発し、発症率は年間 0.1/10 万人と推定される比較的珍しい疾患として知られている
好発年齢は20代と70代の二峰性にピークがある。
症状
- 突然の背部痛
- 四肢麻痺
- 感覚障害
- 膀胱直腸障害
病態・要因
- SSEHが腹側より背側に来しやすい理由は、腹側の硬膜外静脈は部分的に後縦靱帯に保護されている領域が多いが、背側は腹側よりも静脈叢が発達しているという要因がある。
- 脊髄硬膜外の静脈は弁を有していないため圧変化に対する制御機能が低い。
- 中高年発症が多い理由として静脈構造の変化だけではなく累積した重力荷重の影響で血管拡大を来たしている可能性がある
予後不良因子
- 高齢
- Frankel分類A、B
- 血腫がTh7より尾側に進展している
- 4椎体間以上に及ぶ血腫
- 発症から手術までの時間(?)※様々な見解あり
【佐藤ら、特発性脊髄硬膜外血腫に対する治療成績の検討、2021】
- 初診時の Frankel 分類が A と B の 症 例
- 胸椎高位の病変
- 発症から受診までに24 時間以上経過した症例
- 術翌日の Frankel分類に改善がない場合
【福井ら、特発席脊髄硬膜外血腫の他施設研究-予後不良因子と治療に関する検討-、2021(学術発表)】